事業ごみの搬出経路と回収の可否|狭い道路・エレベーターなし物件|岡山市
事業ごみの回収を新しく頼むとき、話が止まりやすいのは「何を出すか」ではなく「そこまで車が入れるか」です。前面道路が狭い、一方通行の奥にある、エレベーターがない建物の2階にごみ置き場がある——こうした立地では、品目の区分がすべて整理できていても、搬出の段取りから決め直すことになります。しかもこれは業者の都合だけの話ではなく、道路の幅と車の幅の関係、路上に停められる時間、建物内の避難経路について、それぞれ法令の定めがあります。岡山市で一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬を行うコウノ産業が、搬出経路のどこで可否が分かれるのかを整理します。
回収の可否は「品目」と「経路」の2段構えで決まる
事業ごみの委託でまず問われるのは、委託先の許可の範囲です。事業系一般廃棄物の委託基準を定めた廃棄物処理法施行令第4条の4第1号は、「他人の一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を業として行うことができる者であつて、委託しようとする一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生がその事業の範囲に含まれるものに委託すること」と定めています。つまり、その品目がその業者の事業の範囲に入っていることが前提です。
ところが実際の現場では、ここをクリアしても次の関門が残ります。それが搬出経路です。関門は大きく3つに分かれます。
▶ ① 道路
その道路を通れる車両の幅に、道路の幅から決まる基準がある。加えて、積み込みのあいだ車を止めておけるかどうかという別の問題がある。
▶ ② 敷地
道路から敷地に入れるか。門扉の幅、シャッターの高さ、私道の通行、駐車位置の確保。
▶ ③ 建物内
ごみ置き場から車までをどう運ぶか。エレベーターの積載量、階段作業、廊下への仮置きの可否。
見積りの段階でこの3つを一緒に確認しておくと、契約後に「その車では入れない」「その時間帯は止められない」と手戻りすることを防げます。
① 道路|通れる車の幅には、道路の幅から決まる基準がある
車両制限令が「道路との関係で通れる幅」を定めている
車の大きさの上限というと、車検証の寸法や道路交通法を思い浮かべる方が多いのですが、狭い道では、車が物理的に通れるかどうかとは別に、道路を管理する側が定める法令上の基準も関わってきます。道路法第47条第4項は「前三項に規定するもののほか、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限に関する基準は、政令で定める」としており、その政令が車両制限令です。同令第5条は、市街地を形成している区域内の道路について、次のように幅の上限を定めています。
| 道路の状況 | 通行できる車両の幅の上限 |
|---|---|
| 一方通行の道路/自動車の交通量がきわめて少ないと道路管理者が指定した道路(第5条第1項) | 車道の幅員から0.5mを減じたもの |
| 上記以外の道路(第5条第2項) | 車道の幅員から0.5mを減じたものの2分の1 |
| 歩道も自転車歩行者道もなく、路肩の幅員が明らかでない道路の「車道の幅員」(第5条第1項の括弧書き) | (上限の計算に使う「車道の幅員」を)路面の幅員から1mを減じたものとみなす |
数字を入れてみると、計算の仕組みが分かります。歩道のない幅4mの道路で、路肩の幅員がはっきりしない場合、車道の幅員は路面の幅員から1mを引いた3mとして扱われます。その道路が一方通行でも交通量がきわめて少ないと指定された道路でもなければ、第5条第2項が当てはまり、通行できる車両の幅は、3mから0.5mを引いた2.5mのさらに2分の1、つまり1.25mという計算になります。
ただし、この幅の制限には除外の定めがあります。車両制限令第14条第2項は、公益上緊要な用務のために通行する国土交通省令で定める車両で、道路の構造の保全のための必要な措置を講じて通行するものについては第5条から第7条までを適用しないとしており、これを受けた「車両の通行の許可の手続等を定める省令」第7条第2項第2号が、その車両のひとつとして「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第六条の規定による一般廃棄物の収集のため使用される車両」を挙げています。ただし、この省令が引いている廃棄物処理法第6条は、現行では市町村が定める一般廃棄物処理計画に関する規定で、市町村の収集義務は第6条の2に、許可業者の事業は第7条に置かれています。市町村が行う収集を念頭に置いた除外と読むのが自然で、許可業者が事業系ごみを集める車両まで含まれるかは、条文だけで読み切ることはできません。いずれにしても、道路の幅員から計算した数字がそのまま回収の可否になるわけではなく、次に述べる道路管理者の指定や認定によって結果が変わります。
ここでお伝えしたいのは、正確な上限値そのものではありません。道路の幅は、可否を一発で決める数字ではなく、車両の選び方を左右する条件のひとつだということです。どの規定・どの除外が当てはまるかは、その道路が市街地区域かどうか、一方通行かどうか、道路管理者の指定があるかどうかで変わります。基準に適合しない車両でも、車両の構造や積載する貨物が特殊でやむを得ないと道路管理者が認定したものは基準に適合するものとみなす制度があります(同令第12条。通行させようとする者の申請に基づき、運転経路や運転時間の指定などの条件が付くことがあります)。ですから「この道は何トン車まで入れます」と机上で断定できる話ではなく、現地を見たうえで、道路管理者の指定状況まで含めて判断することになります。
「入れるか」より先に「止められるか」で詰まることがある
幅の条件をクリアしても、積み込みのあいだ車を止める場所がなければ回収はできません。ここは道路交通法の話になります。
まず、止めること自体が禁止されている場所があります。同法第44条第1項は、交差点・横断歩道・踏切などのほか、「交差点の側端又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分」では停車も駐車もしてはならないと定めています。狭い路地の角にごみ置き場を作っている事業所は珍しくありませんが、角から5m以内だと、そもそも車を寄せられません。第45条第1項では、道路外の駐車場などの自動車用出入口から3m以内、消火栓や消防用機械器具の置場から5m以内などが駐車禁止とされています(公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときを除く、というただし書があります)。
次に、停めている状態が「停車」なのか「駐車」なのかという問題があります。同法第2条第1項第18号は「駐車」を、荷待ちや貨物の積卸しなどの理由により継続的に停止すること(「貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの」と人の乗降のための停止を除く)、または車両等が停止し、かつ運転者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあること、と定義しています。5分の除外がかかるのは前半の「継続的に停止すること」の側だけで、後半には及びません。積み込みが5分以内でも、運転者が車を離れて建物の中へ取りに戻れば、駐車として扱われうるということです。さらに第45条第2項は、車の右側に3.5m以上の余地がない場所での駐車を禁じたうえで、ただし書で「貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき」を除いています。第47条第1項は、積卸しのための停車について「できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」と定めています。
実務に置き換えると、こういうことです。狭い道路ほど「短時間で、車から離れずに積み終われる状態」が効いてきます。袋がまとまっている、置き場が車を寄せられる位置にある、鍵の解錠を待たない——こうした条件が揃っているかどうかで、同じ立地でも回収のしやすさが変わります。逆に、ごみ置き場を数メートル動かすだけで解決する現場もあります。
② 敷地|門扉・シャッター・私道で条件が変わる
敷地の中まで入れるかどうかも、事前に見ておきたいところです。確認するのは次のような点です。
▶ 間口と高さ
門扉やゲートの有効幅、シャッターや庇(ひさし)の高さ、機械式駐車場の入口高さ。高さは見落としやすく、幅は通っても入口で止まることがあります。
▶ 私道・共有通路
前面が私道の場合、通行や一時停止について所有者・管理組合の了解が要ることがあります。テナントビルや分譲マンションの共用部分も同様で、管理会社への事前申請が必要なケースがあります。
▶ 車を止める位置
敷地内に寄せられれば路上に止めずに済みます。来客用スペースを搬出の時間帯だけ空けられるか、といった調整が効くこともあります。
これらは図面や写真だけでは判断しきれないため、条件が厳しそうな現場では現地を見てから車両と作業の段取りを決めるのが確実です。岡山市で法人向けゴミ回収の定期契約を始める手順でも、契約前の現地確認を段取りのなかに置いています。
③ 建物内|エレベーターと避難経路には決まりがある
積載量は、かご内の標識で確認できる
エレベーターで運べる量は、感覚で決めるものではありません。建築基準法施行令第129条の6第5号は、エレベーターのかごについて「用途及び積載量(キログラムで表した重量とする。以下同じ。)並びに乗用エレベーター及び寝台用エレベーターにあつては最大定員……を明示した標識をかご内の見やすい場所に掲示すること」と定めています。かごの中を見れば、用途と積載量が書かれた標識があるはずです。搬出の計画を立てるときは、まずこの数字を確認してください。
あわせて確認したいのが、そのエレベーターを荷物の搬出に使ってよいか、養生が必要か、使える時間帯が決まっていないか、という運用面です。オフィスビルや商業ビルでは、荷物用エレベーターの使用に事前申請を求められることがあり、当日の作業時間を大きく左右します。什器を含む入れ替えの段取りはオフィス家具・什器の入れ替えで出る廃棄物|区分と搬出の段取りにまとめています。
廊下・階段への仮置きは、消防法で制限されている
エレベーターがない、あるいは使えない建物では、いったん廊下や階段の踊り場にまとめておきたくなります。ここには明確な決まりがあります。消防法第8条の2の4は、政令で定める防火対象物の管理について権原を有する者に対し、次のように求めています。
当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理し、かつ、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理しなければならない。
(消防法第8条の2の4)
この「政令で定める防火対象物」は、消防法施行令第4条の2の3により、同令別表第一に掲げる防火対象物(同表(十八)項から(二十)項までに掲げるものを除く)とされています。除かれるのは長いアーケードや山林、舟車などで、事務所・店舗・工場・共同住宅といった建物は広く対象に入ります。「搬出の日だけだから」と階段の踊り場に袋を積み上げるのは、避難経路をふさぐ行為です。この規定が名宛人としているのは建物の管理について権原を有する者ですが、実際に物を置くのはテナント側ですので、共用部を使う前にビルの管理会社へ確認しておくのが確実です。仮置きをするなら、避難上必要な施設にかからない場所を、あらかじめ決めておいてください。
置いておく量そのものを減らす発想も有効です。次の回収までにどれだけ溜まるかから逆算する考え方は事業ゴミの回収頻度と保管量の決め方で解説しています。
経路が厳しい現場で取れる選択肢
条件が揃わない現場でも、打つ手がないわけではありません。取り組みやすいものから順に挙げます。
▶ 置き場の位置を変える
建物の中や敷地の奥から、車を寄せられる位置へ移す。角から5m以内を避ける。数メートルの移動で条件が変わることがあります。ただし賃貸物件やテナントビルでは、置き場の移動に貸主・管理会社・管理組合の了解が要ることがあります。移動を決めたら、回収の動線が変わるので委託先にも先にお伝えください。
▶ 時間帯を変える
通勤時間帯や来客の多い時間を外す。ただし、早朝や夜間の回収を考えるときは音への配慮が必要です。一般廃棄物収集運搬業者は一般廃棄物処理基準に従うこととされており(廃棄物処理法第7条第13項)、その基準を定めた施行令第3条第1号イは、廃棄物が飛散・流出しないようにすること、そして「収集又は運搬に伴う悪臭、騒音又は振動によつて生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること」を求めています。住宅が近い立地では、時間帯の設定そのものが検討事項になります。
▶ 車両を小さくして回数で調整する
1回あたりの積載量は減りますが、道路の条件に合う車両で回数を分ける方法です。ただし、どのサイズなら通れるかは現地と道路の指定状況によりますので、実際に見せていただいたうえでのご提案になります。
▶ 社内で運べる位置まで移動しておく
台車などで搬出しやすい場所まで移しておくと、路上での作業時間を短くできます。このときも、廊下・階段・避難口をふさがないことが前提です。
▶ 自己搬入を組み合わせる
岡山市のリーフレット「事業系ごみの分け方・出し方」(令和7年3月発行)は、「ごみステーションに、事業系ごみは出せません!」としたうえで、「事業系ごみは、排出事業者が処理施設へ自己搬入するか、収集運搬許可業者に収集を依頼して処理してください」と案内しています。自己搬入とは排出事業者が自ら施設へ運ぶことで、処理手数料は10kgまでごとに180円です。ただし岡山市は自己搬入について「ご自身で岡山市の施設に持ち込むことが可能な場合は、環境施設課に事前協議を行い、持ち込む。(有料)」と案内しており、思い立った日にそのまま持ち込める仕組みではありません(岡山市「事業系一般廃棄物処理手数料について」)。ただし可燃ごみの受入は東部クリーンセンター・当新田環境センターとも平日8:00〜15:00で、土日は受入なしとされています。粗大ごみに当たるものは、搬入前に受入施設へ相談するよう案内されており、市の手引き(令和5年3月発行)には車両の大きさ等の制限がある旨も記載されています。また可燃ごみとして受け入れられるのは生ごみ・剪定木や草・リサイクルできない紙類などで、ごみ袋は透明または半透明のもの、金属やガラスなどの不燃ごみは産業廃棄物にあたるため持ち込めません。持ち込みの向き不向きは岡山市で事業ゴミを正しく処分する方法|持ち込み・許可業者・費用の目安で整理していますので、あわせてご覧ください。手数料や受入条件は改定されることがありますので、最新の内容は岡山市の案内でご確認ください。
経路が難しい現場ほど、頼める業者は限られる
搬出経路に条件がある現場は、業者側にとっても手間のかかる仕事です。そのうえ、事業系一般廃棄物には許可の壁があります。廃棄物処理法第7条第1項は、一般廃棄物の収集運搬を業として行おうとする者は、原則としてその区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならないと定めています。産業廃棄物の許可(都道府県知事が発行しますが、岡山市のような政令で定める市では、積替え保管を伴う収集運搬や処分業について市長が権者となります)とは別枠で、産廃の許可を持っているからといって事業系一般廃棄物を運べるわけではありません。しかも一般廃棄物の許可は市町村ごとに必要で、市町村長が許可できるのは「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること」「その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること」などのいずれにも適合すると認めるときに限られています(同条第5項)。既存の処理体制で足りていれば新規には出ない仕組みなので、対応できる業者は多くありません。
つまり、狭い道路・エレベーターなし・時間帯の制約といった条件が重なる現場ほど、「その条件で動ける業者」と「岡山市の一般廃棄物の許可を持つ業者」の重なりが小さくなります。委託先を探すときは、許可の種類と範囲を先に確認しておくと、後の調整が楽になります。
岡山市の搬出経路のご相談はコウノ産業へ
コウノ産業は、一般廃棄物収集運搬業(岡山市第4019号)と産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ、岡山市の事業ごみ回収の専門業者です。前面道路が狭い、一方通行の奥にある、エレベーターがない、駐車できる場所がない——こうした現場も、実際に見せていただいたうえで、置き場の位置や時間帯を含めて、許可の範囲内で対応いたします。
「今の業者に断られた」「新しく借りた物件で回収を頼めるか分からない」といった段階のご相談でも構いません。住所と、できれば前面道路とごみ置き場の写真を下のLINEからお送りいただければ、確認すべき点を先にお伝えできます。お電話でのご相談も承ります。

