オフィスの蛍光灯の処分|水銀使用製品産業廃棄物の区分と保管・委託の注意点
オフィスの照明をLEDに切り替えるとき、外した蛍光灯の処分に迷う担当者の方は少なくありません。事業所から出た蛍光灯は、家庭ごみのように自治体の収集に出すことはできず、さらに「水銀使用製品産業廃棄物」という区分に該当するため、通常の産業廃棄物とは異なる取り扱いが必要になります。この記事では、岡山市の事業者向けに、蛍光灯の廃棄物としての区分、保管と委託で押さえるべきポイント、そして一緒に出る事業ゴミの整理までを、許可業者の立場から解説します。
事業所の蛍光灯は「産業廃棄物」|事業系一般廃棄物ではありません
まず押さえておきたいのは、事業活動に伴って出た蛍光灯は事業系一般廃棄物ではなく、産業廃棄物として処理する必要があるという点です。ガラス・金属・蛍光体などの複合物であり、家庭から出る蛍光灯とは扱いが変わります。
▶ 岡山市の事業者が注意したいこと
岡山市でも、事業活動から出た廃棄物を家庭ごみの集積所に出すことはできません。オフィスの入れ替え作業では、蛍光灯と一緒に段ボールや梱包材、古い書類などが大量に出ますが、これらは区分が異なるため、まとめて同じ扱いにはできない点に注意が必要です。事業系一般廃棄物にあたるものと産業廃棄物にあたるものを、排出の段階で分けておくと後の手続きがスムーズになります。
「水銀使用製品産業廃棄物」とは何か
蛍光ランプは、環境省の水銀廃棄物ガイドラインにおいて「既存の用途に利用する水銀使用製品」として明記されています(冷陰極蛍光ランプ・外部電極蛍光ランプを含む)。これが産業廃棄物になったものが「水銀使用製品産業廃棄物」で、通常の産業廃棄物より踏み込んだ取り扱いが求められます。
排出事業者に求められる主な対応
環境省のガイドラインでは、排出事業者の責務として次の点が挙げられています。
- 事業場における産業廃棄物保管基準の遵守
- 委託基準の遵守。委託の際は、適正な処理のために必要な情報として水銀使用製品産業廃棄物である旨を記載する
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付。水銀使用製品産業廃棄物の数量を記載する
- 帳簿の作成・保存(水銀使用製品産業廃棄物についての記載を含む)※自ら運搬・処分する場合などが対象で、委託のみの事業者に一律に求められるものではありません
つまり「産業廃棄物として出せば終わり」ではなく、書面の書き方まで含めて対応が必要になります。委託契約書で確認すべき項目は事業ゴミの委託契約書で確認すべき項目の記事で詳しく解説しています。
他の廃棄物と混ぜない
同ガイドラインでは、収集・運搬等においてその他の物と混合するおそれのないように、仕切りを設けるなど必要な措置をとって区分して取り扱うことが求められています。オフィスの片付けでまとめて袋に入れてしまうと、この区分ができません。取り外した蛍光灯は、破損させないよう元の箱や専用の容器にまとめ、他の廃棄物と分けて保管してください。
電池は種類によって扱いが違います
一緒に出やすい乾電池類は、蛍光灯と同じ扱いにはなりません。ガイドラインでは、水銀等の使用に関する表示がされていない場合、アルカリボタン電池(品番の最初が「LR」のボタン形のもの)などは水銀使用製品産業廃棄物の対象外として整理されています。一方で、製品本体に水銀等の使用に関する表示がある製品は対象となります。電池をひとまとめにせず、表示を確認することが大切です。
LED切り替えが進む今、まとまった量が出やすい
水銀に関する水俣条約に基づき、一般照明用の蛍光ランプは種類ごとに順次、製造と輸出入が禁止されることが決まっています。時期は種類によって異なるため、詳細は照明メーカーや業界団体の案内をご確認ください。いわゆる「蛍光灯の2027年問題」として、オフィスや店舗でLED照明への切り替えが進んでいる背景がここにあります。
切り替え工事では、フロア単位で一度に大量の蛍光灯が発生します。少量ずつなら保管場所も確保しやすいものの、まとまった量になると保管基準を守るスペースの確保が課題になります。工事の日程が決まった段階で、処分の段取りもあわせて考えておくと安心です。
照明の入れ替えで同時に出る事業ゴミの整理
照明のLED化では、蛍光灯以外にもさまざまな廃棄物が出ます。区分ごとに整理しておきましょう。
| 出るもの | 主な区分 |
|---|---|
| 取り外した蛍光灯 | 産業廃棄物(水銀使用製品産業廃棄物) |
| 新しい照明器具の梱包段ボール | 事業系一般廃棄物(古紙として資源化も可) |
| 緩衝材などの廃プラスチック | 産業廃棄物 |
| 片付けで出た古い書類・紙くず | 事業系一般廃棄物(業種により産業廃棄物) |
このように、一つの作業から事業系一般廃棄物と産業廃棄物の両方が出るのが実情です。書類の処分については古紙・機密書類を安全に処分する方法もあわせてご覧ください。
依頼先を選ぶときは「許可の種類」を確認
ここで見落とされがちなのが、廃棄物の種類ごとに必要な許可が違うという点です。事業系一般廃棄物の収集運搬は市町村長の許可が必要で、産業廃棄物の許可を持っているからといって事業系一般廃棄物を運べるわけではありません。一般廃棄物の許可は市ごとに与えられるうえ、新規の取得は極めて限られており、対応できる業者はそう多くないのが実態です。
コウノ産業は、岡山市の一般廃棄物収集運搬業許可(第4019号)と産業廃棄物の許可をあわせて保有しています。そのため、事業系一般廃棄物にあたる段ボールや紙くずと、産業廃棄物にあたる廃プラスチック類などを、窓口をまとめてご相談いただけます。水銀使用製品産業廃棄物である蛍光灯についても、許可の範囲内で対応いたします。量や状態、保管の状況によって進め方が変わりますので、まずはご相談ください。
オフィスの片付けで出る事業ゴミ全般についてはオフィス・事務所のゴミ回収のカテゴリでも事例をご紹介しています。照明の入れ替えや移転の予定が決まりましたら、出るものの一覧とおおよその量をお知らせいただければ、区分の整理からお手伝いいたします。

