事業系一般廃棄物の資源化で処理費を下げる|古紙・食品ごみ・剪定枝|岡山市
事業ゴミの処理費を下げたいとき、いちばん確実に効くのは「焼却に回す重さを減らすこと」です。岡山市が市の処理施設への搬入について定めている事業系一般廃棄物の処理手数料は重さで決まる従量制なので、資源化のルートに乗せられるものを抜き出せば、その分だけ処理費が軽くなります。この記事では、岡山市の事業者が現実に資源化へ回せる代表的な3品目(古紙・食品ごみ・剪定枝)を取り上げ、分け方と、抜き出す前に確認しておきたい線引きを、岡山市の一般廃棄物収集運搬業許可業者であるコウノ産業が整理します。
岡山市の処理手数料は「重さ」で決まる
岡山市は、事業者が排出する事業系一般廃棄物を市の処理施設に搬入する場合の処理手数料を、10キログラムまでごとにつき180円と定めています(従量制・10キログラム単位)。搬入の実務は業者が担うことが多いため意識されにくいのですが、費用の土台にあるのは「持ち込んだ重さ」です。
ここが分別の効きどころです。岡山市も、事業系ごみのQ&Aで「排出段階で分別を徹底することにより、多くのものがリサイクル可能となり、ごみ量を減らすことができることから、ごみ処理経費の削減にもつながります。」と説明しています。分別は環境対応のためだけの作業ではなく、費用の話でもあるということです。
費用の決まり方そのものを詳しく知りたい方は事業ゴミの処理費用はどう決まる?適正価格の見極め方を、契約や回収頻度まで含めた全体の見直しは事業ゴミの処分費用を抑える5つの方法をご覧ください。本記事は、そのうち「資源化ルートに乗せる」という一点を掘り下げます。
岡山市が資源化ルートを示している3品目
岡山市は「食品ごみ・事業系古紙・剪定枝の再資源化事業者」の一覧を品目ごとに公開しています。つまりこの3つは、市が「焼却ではなく資源化に回してほしい」と考えている代表格だと読めます。自社から出ているごみのうち、この3つがどれくらいの割合を占めているかを見るところから始めてください。
古紙|そもそも焼却工場に搬入できない
見落とされやすいのですが、岡山市は「資源化可能な古紙は、市の焼却工場へ搬入することはできません。」と明記しています。「燃えるから可燃ごみでよい」という扱いはできず、古紙リサイクル業者か一般廃棄物の許可業者へ委託してリサイクルする、というのが前提のルートです。
実務では、段ボール・新聞・雑誌・OA用紙のように品目ごとに分けることが求められます。汚れて資源化できない紙や、リサイクルに向かない加工紙は事業系一般廃棄物として処理することになるため、「資源化できる紙」と「できない紙」を排出の段階で分ける仕組みが要ります。市も機密文書をリサイクルできる業者があると案内しています。書類の処分は古紙・機密書類を安全に処分する方法で詳しく解説しています。
なお建設工事等に伴う紙くずは産業廃棄物で、市の焼却工場へ搬入できません。同じ「紙」でも出どころで扱いが変わる点は押さえておいてください。
食品ごみ|水分を落とすだけで重さが変わる
飲食店や小売店で効きやすいのが食品ごみです。従量制である以上、水分は費用そのものになります。調理くずや食べ残しをそのまま袋に入れると水分を抱えたまま計量されるため、水切りかごや三角コーナーで水を落としてから出す、開店前に前日分の水気を切る、といった手順を決めておくだけでも重さは変わります。岡山市も「事業系ごみ減量化・資源化の手引き」で、搬入できるものとして生ごみを挙げたうえで水切りの徹底を求めています。
資源化の面では、市は生ごみ処理機の利用や、リサイクル施設への搬入による資源化が可能だと案内しており、前述のとおり食品ごみの再資源化事業者の一覧も公開されています。
ただし線引きに注意が必要です。岡山市は「食料品製造業などの特定の事業活動に伴う場合は、産業廃棄物です。」としています。同じ食品由来でも、業種と工程によって動植物性残さ(産業廃棄物)に該当することがあり、一般廃棄物として一括で出せるとは限りません。飲食店の廃食用油のように、産業廃棄物としてリサイクルに回る品目もあります(飲食店の廃食用油(廃油)の処分ルール)。
剪定枝|季節でまとまって出るからこそ効く
敷地の植栽や生け垣の手入れで出る剪定くず・草は、岡山市が事業系一般廃棄物の例として挙げている品目です。剪定枝も再資源化事業者の一覧が公開されており、資源化のルートがあります。年に数回まとまって出るため、可燃ごみに混ぜると一度の重さが跳ね上がります。手入れの時期が決まっているなら、その分だけ別ルートを用意しておくのが実務的です。
なお、自社で植栽を業者に依頼して剪定してもらった場合は、排出事業者が誰になるかで扱いが変わることがあります。作業の発注形態も含めて、事前にご相談ください。
リサイクルできる紙・缶・びんは市の施設では受け入れていない
もうひとつ、費用より先に知っておきたい事実があります。岡山市は事業系ごみについて「紙や空き缶、びんなどのリサイクルが可能なものであっても、市の施設では受け入れしていませんので、分別のうえ、許可業者や民間のリサイクル業者に引き取りを依頼し、リサイクルしてください。」と案内しています。
つまり資源化物は「安く処理できる」という以前に、市の処理施設には持ち込めない=最初から別ルートを用意しておく必要があるということです。分別が甘いまま搬入しようとして持ち帰りになれば、その手間と時間のほうが高くつきます。
なお、事業活動から出る空き缶やびんは、金属くず・ガラスくずとして産業廃棄物にあたります。岡山市も「事業系ごみ減量化・資源化の手引き」で、事業活動に伴って生じる不燃ごみ(金属、ガラス、陶磁器、それら複数の素材でできたものなど)は産業廃棄物になるため持ち込みできない、と案内しています。「リサイクルできる資源だから一般廃棄物のほうで」とはならない点にご注意ください。
抜き出す前に確認したい2つの線引き
資源化に回すときは、次の2点を先に押さえてください。
▶ 一般廃棄物と産業廃棄物を混ぜて委託しない
岡山市は、事業系ごみを適正に分別せずあわせて処理を委託することや、産業廃棄物の処理を一般廃棄物の収集運搬許可業者に委託することは、廃棄物処理法における委託基準違反等により罰則が加えられることになる、と説明しています。「安いほうにまとめる」は通りません。区分の考え方は事業系一般廃棄物と産業廃棄物を一社にまとめるメリットで整理しています。
▶ 「資源化業者だから許可がいらない」わけではない
廃棄物処理法第7条第1項は、一般廃棄物の収集運搬を業として行う者に市町村長の許可を義務づけたうえで、ただし書で「事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。」と定めています。古紙回収の業者が一般廃棄物の許可業者一覧に載っていないことがあるのは、この規定によるものです。
ここで大事なのは、この例外は「再生利用に回るものだけを集める場合」の話だという点です。資源化物を持って行ってもらうついでに、事業所の可燃ごみや雑ごみもまとめて頼めるわけではありません。一般廃棄物の収集運搬は市町村長の許可が必要で、この許可は市ごとに与えられ、新規の取得が難しいものです。「産業廃棄物の許可があるから一般廃棄物も運べる」も誤りですので、委託先を分けるときこそ許可の内容を確認してください。
減量に本格的に取り組む場合は、岡山市の減量計画書の制度も関係します。対象や書き方は岡山市の事業系ゴミ減量義務と多量排出事業者の届出制度をご覧ください。
岡山市の資源化と回収の相談はコウノ産業へ
コウノ産業は、一般廃棄物収集運搬業(岡山市第4019号)と産業廃棄物収集運搬業の両方の許可を持っています。事業系一般廃棄物と産業廃棄物で委託先を分ける必要がなく、許可の範囲内で対応いたしますので、「これは資源化に回せるのか」「この品目はどちらの区分か」といった手前の判断からご相談いただけます。
まずは1か月分の排出状況を見せていただき、資源化に回せる品目がどれくらいあるかを一緒に確認するところから始めましょう。分別の手間と削減できる量が見合うかどうかは、事業所ごとに違います。無理に品目を増やすより、効くところから始めるほうが続きます。
出典:岡山市「事業系一般廃棄物処理手数料について」(https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000011638.html)、岡山市「事業系ごみと資源の分け方」(https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000005609.html)、岡山市「事業系ごみの適正分別・適正処理について Q&A」(https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000005627.html)、岡山市「食品ごみ・事業系古紙・剪定枝の再資源化事業者」(https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000048353.html)、岡山市「事業系ごみ減量化・資源化の手引き」。条文は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(e-Gov法令検索)によります。手数料や受入れの取扱いは改定されることがありますので、最新の内容は市の案内をご確認ください。

