飲食店の客席ごみの分け方|割り箸・おしぼり・ストローの区分|岡山市
居酒屋や定食屋、ラーメン店などでは、お客様が帰ったあとのテーブルから、食べ残しと一緒に割り箸、紙ナプキン、おしぼり、ストロー、調味料の小袋などがまとめて下がってきます。忙しい時間帯ほど一つの袋にまとめたくなりますが、客席から出るごみは、素材によって「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれます。目安は、食べ残し・割り箸・汚れた紙は事業系一般廃棄物、プラスチック製のストローや小袋は産業廃棄物です。
この記事では、客席の片付け(下げ膳)で出る物を素材ごとに分ける考え方と、忙しい店でも分別を続けやすくする工夫を整理します。岡山市の一般廃棄物収集運搬業の許可(第4019号)と産業廃棄物収集運搬業の許可を持つコウノ産業が解説します。
客席ごみの区分は「素材」で決まる
紙・木は業種で区分が決まり、飲食店なら事業系一般廃棄物
事業活動に伴って出るごみのうち、紙くずと木くずは、産業廃棄物になる業種が決められています(廃棄物処理法施行令第2条第1号・第2号)。紙くずなら建設業、パルプ・紙・紙加工品の製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業など、木くずなら建設業や木材・木製品の製造業などに限られます(ただし、貨物の流通に使った木製パレットは業種を問わず産業廃棄物です)。
飲食店はこれらの業種にあたらないため、客席から出る紙や木のごみは、産業廃棄物ではなく事業系一般廃棄物として扱います。食べ残しなどの動植物性の残さも、産業廃棄物になるのは食料品製造業などで原料として使ったものに限られるため(同条第4号)、飲食店では事業系一般廃棄物です。岡山市のQ&Aでも、飲食店は食品製造業には該当しないと説明されています。
プラスチック・金属・ガラスは業種を問わず産業廃棄物
一方で、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず・陶磁器くずには業種の限定がありません。飲食店から出たものでも産業廃棄物になります。
岡山市は、飲食店から出るごみ(割り箸や食べ残しを多く含むごみ)について、「厨芥ごみや割り箸は、事業系一般廃棄物として適正な処理をお願いします。」としたうえで、廃プラスチック類、ガラス・陶磁器くず、金属くず、廃油等は産業廃棄物として処理するよう案内しています。同じテーブルから下がってきたごみでも、出し先が二つに分かれるということです。
客席で出る物の区分一覧
食べ残し・割り箸・木製の楊枝(事業系一般廃棄物)
お客様の食べ残しは生ごみとして事業系一般廃棄物です。岡山市のリーフレット「事業系ごみの分け方・出し方」(令和7年3月発行)は、生ごみについて「水切りをしてください」と添えています。汁物やスープの残りが多い店では、袋に入れる前に水気を切っておくと、重さも臭いも抑えられます。
割り箸は、同じリーフレットで木くずの「木製品(割り箸など)」として、リサイクルできないものは市の焼却施設で処理する側に載っています。木製の楊枝や木のスプーン・マドラーも、木製品として同じ考え方で分けられます。
紙ナプキン・紙おしぼり・紙のストロー(事業系一般廃棄物)
口を拭いた紙ナプキンや、料理の汚れが付いた紙は、リサイクルできない紙くずとして事業系一般廃棄物です。リーフレットでも、リサイクルできない紙の例として「ティッシュペーパー」「汚れた紙」「フィルムコーティングされた紙」などが挙げられています。紙製のおしぼりや紙のストロー、紙のコースター・敷き紙も、紙でできていれば同じ側に入ります。
注意したいのは、使い捨てのおしぼりの素材です。紙(パルプ)でできたものもあれば、不織布のものもあります。リーフレットでは、化学繊維でできた物などの合成繊維くずは廃プラスチック類(産業廃棄物)の欄に入っています。どちらの素材かは、仕入れている商品の表示で確かめておき、判断に迷うものは回収を委託している業者に相談するのが確実です。
ストロー・小袋・おしぼりの包装(産業廃棄物)
プラスチック製のストローやマドラー、使い捨てのフォーク・スプーン、ストローやおしぼりが入っていたビニールの包装、しょうゆやソースの小袋、デザートのプラスチック容器は、廃プラスチック類として産業廃棄物です。小さくて紙ナプキンに包まれたまま下がってくることが多いので、生ごみや紙と一緒の袋に入りやすい品目です。
なお、貸しおしぼり(レンタル)のタオルは、一般的にはおしぼり業者から借りて返却する物です。ごみの袋に混ざらないよう、返却用の回収かごを客席ごみとは別に置いておきます。
缶・びん・ペットボトル(産業廃棄物・資源化物)
飲み物の空き缶は金属くず、空きびんはガラスくず、ペットボトルは廃プラスチック類で、いずれも産業廃棄物の品目です。ただし飲食用の缶・びん・ペットボトルについて、岡山市のリーフレットは「資源化物(リサイクルできるもの)」として再生資源事業者へ処理を依頼するルートも示しており、再生資源事業者が処理できないものは産業廃棄物としています。中身を空にして、生ごみや紙とは別の容器に集めておくのが基本です。ビールびんなど、取引先の酒販店に返す決まりのものは、ごみと分けて保管します。
割れたグラス・皿(産業廃棄物)
客席で割れたグラスや小皿は、リーフレットでもガラス製品(コップ)・陶磁器類(茶碗、皿)として、ガラス・コンクリート・陶磁器くず(産業廃棄物)の欄に載っています。破片が袋を突き破ってけがにつながらないよう、生ごみや紙の袋には入れず、厚手の紙や箱に包んで別にしておきます。
忙しい店でも分別を続ける工夫
下げ膳の段階で「3つ」に分ける
客席ごみの分別は、洗い場やごみ置き場でまとめてやろうとすると手間がかかります。下げ膳のトレイやバッシング用のバケツの段階で、次のように分けておくと、その後の作業が少なくて済みます。
▶ 可燃のごみ(事業系一般廃棄物):食べ残し・割り箸・木製の楊枝・紙ナプキン・紙のおしぼり
▶ プラスチック(産業廃棄物):ストロー・小袋・包装フィルム・プラスチックの容器やカトラリー
▶ 缶・びん・ペットボトル:中身を空にして別の容器へ
割れ物と貸しおしぼりは、この3つとは別の置き場所を決めておきます。新しく入ったスタッフにも分かるよう、洗い場の近くに「何をどこへ」を書いた紙を貼っておくと、分け方が人によって変わりにくくなります。
混ざったままだと市の施設で受け入れてもらえない
岡山市のリーフレットは、「分別ができていないと、市の処理施設での受け入れ(自己搬入、収集運搬許可業者による搬入)はできません。」としています。可燃の袋の中にストローや小袋がまとまって入っていると、その袋は出し先が決まらなくなります。袋は市の規則の基準に合ったものを使い、中身が見える状態で出すことも大切です。袋の基準は事業系ごみを出す袋の基準|90リットル以下・顔料なしのポリ袋|岡山市で、回収までの容器や置き場の整え方は飲食店のごみ容器と置き場の設え|ふた付き容器・ねずみ・カラス対策|岡山市で紹介しています。
プラスチックのストロー・カトラリーは「出す量」から見直す
プラスチックの客席ごみは、出す前の段階でも減らせます。プラスチック資源循環促進法では、商品やサービスに付けて無償で配るプラスチック製のフォーク、スプーン、テーブルナイフ、マドラー、飲料用ストローが「特定プラスチック使用製品」とされ、飲食店はこれを提供する業種に含まれています(同法施行令第5条)。こうした事業者には、有償で提供する、お客様に必要かどうかを確認する、繰り返し使える製品に替えるといった、使用を合理化する取組が求められています(同法に基づく省令第2条)。前年度に提供した量が5トン以上の事業者は、取組が著しく不十分と認められると、国(主務大臣)から勧告を受けることがあります(同法第30条第1項・施行令第6条)。
「ストローは必要な方にだけお渡しする」「スプーンは声をかけられたら出す」といった運用にすると、産業廃棄物として出すプラスチックの量そのものが減ります。紙や木の製品に切り替えた場合は、捨てるときの区分も事業系一般廃棄物の側に移ります。
客席ごみの回収をどこに頼むか
事業系一般廃棄物は、岡山市長の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者に収集運搬を委託するか、事前に市へ相談したうえで市の施設に自分で持ち込みます。産業廃棄物は、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者に委託します。一般廃棄物収集運搬業の許可は市町村長が出すもので、市町村ごとに必要です。産業廃棄物の許可を持っている業者でも、それだけでは事業系一般廃棄物を運ぶことはできません。
客席ごみのように両方が毎日出る飲食店では、委託先が一般廃棄物と産業廃棄物の両方の許可を持っていれば、回収の窓口を1社にまとめられます。考え方は事業系一般廃棄物と産業廃棄物を一社にまとめる5つのメリットで詳しく紹介しています。なお、産業廃棄物を委託するときは、収集運搬業者だけでなく処分業者とも排出事業者(お店)が直接書面で委託契約を結び、マニフェストを交付する必要があります。マニフェストの基本はマニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?事業者が知るべき基礎知識をご覧ください。
テイクアウトの容器やコーヒーかすが多い業態はカフェ・喫茶店のゴミ区分|コーヒーかすとテイクアウト容器の処分|岡山市、厨房の食品ごみの再生利用は食品リサイクル法とは?飲食店・食品スーパーの再生利用と定期報告|岡山市もあわせてご覧ください。
まとめ|客席ごみは「紙・木・生ごみ」と「プラスチック」を分ける
客席から出るごみは、食べ残し・割り箸・紙ナプキンなどの事業系一般廃棄物と、ストロー・小袋・包装などのプラスチック(産業廃棄物)が混ざりやすいのが特徴です。下げ膳の段階で素材ごとに分け、缶・びん、割れ物、貸しおしぼりの置き場所を決めておけば、忙しい営業中でも分別が続けやすくなります。
コウノ産業は、岡山市の一般廃棄物収集運搬業の許可(第4019号)と産業廃棄物収集運搬業の許可を持っており、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬を、許可の範囲内でまとめてご相談いただけます。産業廃棄物について当社が担うのは収集運搬までで、処分業者との契約とマニフェストの交付は排出事業者であるお店側で行っていただきます。客席ごみの分け方や回収の頻度で迷ったら、お気軽にご相談ください。
出典:岡山市「事業系ごみの適正分別・適正処理について Q&A」、岡山市「事業系ごみの分け方・出し方(リーフレット)(令和7年3月発行)」。法令は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(第2条)、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(第30条)、同法施行令(第5条・第6条)、特定プラスチック使用製品提供事業者の特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制に関する判断の基準となるべき事項等を定める省令(第2条)を、e-Gov法令検索で確認しています。本記事では、これらの内容の一部を引用し、コウノ産業が要約・編集して紹介しています。内容は2026年10月時点のものです。ごみの出し方の最新情報は岡山市の案内をご確認ください。
