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テナント入居から開業までの事業ごみ|内装工事の廃材は誰が処分する?|岡山市

岡山市の事業ごみ回収|有限会社コウノ産業

テナントに入居して店舗や事務所を開業するまでには、内装工事、什器や備品の搬入、開業準備、そして営業開始と、ごみの出方が何度か変わります。結論から言うと、内装工事の中で出る廃材は、原則として工事を請け負った元請業者の廃棄物で、開業準備や営業で出るごみは、入居したテナントの廃棄物です。同じ区画から出るごみでも、「工事から出たのか、自分の事業から出たのか」で排出事業者が入れ替わります。

この記事では、この「入れ替わり」の1点に絞って、境目で迷いやすいものと開業前に済ませておきたい準備を整理します。開店前の契約から回収開始までの流れは開店準備中のオーナー様へ|事業系ごみの契約から回収開始までの流れ、建物の解体で出る廃材の区分は岡山市の建物解体で出る事業ゴミと建設廃材の分け方で解説しています。一般廃棄物と産業廃棄物の両方の収集運搬業許可を持つコウノ産業が解説します。

工事の廃材は元請業者、営業のごみはテナント

出発点は、廃棄物処理法第3条第1項です。

「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」

テナントとして入居した飲食店・物販店・事務所・クリニックなどは、自分の事業から出たごみの排出事業者です。これは開業前の準備期間も同じで、店舗の立ち上げという事業活動から出たごみは、テナントのごみになります。

一方、建設工事から出る廃棄物には特別な定めがあります。廃棄物処理法第21条の3第1項は、建設工事が「数次の請負によつて行われる場合」について、工事から出る廃棄物の処理に関する規定の適用上、「当該建設工事(他の者から請け負つたものを除く。)の注文者から直接建設工事を請け負つた建設業…を営む者(以下「元請業者」という。)を事業者とする。」と定めています。

テナントが内装会社や工務店に内装工事を発注した場合、テナントは工事の「注文者」、直接請け負った会社が「元請業者」です。下請けの職人さんが現場で出した廃材も、一部の例外を除いて元請業者の廃棄物として扱われます。つまり、工事の廃材の処理を手配するのは元請業者の側で、注文者であるテナントが自分で処理業者を探す話ではありません。

時期 出るごみと排出事業者
内装工事中 解体した間仕切りや床材、ボードや木材の端材、配線くず、工事資材の梱包材など。工事から出た廃棄物で、原則として元請業者が排出事業者です。
什器・備品の搬入と開業準備 テナントが自分で購入して受け取った什器・備品・商品の梱包材、準備中の清掃ごみなど。テナントが排出事業者です。
開業後 営業や事務で出るごみ。テナントが排出事業者として、毎日の分別と委託を受け持ちます。

なお、内装の一部(塗装や棚の取り付けなど)をテナントが自分で行った場合、その作業で出た廃材は元請業者の廃棄物にはならず、テナント自身が排出事業者として処理を手配します。

内装工事の廃材は産業廃棄物になるものが多い

紙くず・木くず・繊維くずは、ふだんは業種によって一般廃棄物にも産業廃棄物にもなるごみです。ただし廃棄物処理法施行令第2条は、これらのうち「建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)」を産業廃棄物としています。岡山市の「事業系ごみと資源の分け方」も、「建設工事等に伴う紙くずは産業廃棄物です。市の焼却工場へ搬入できません。」と案内しています。

廃プラスチック類(法第2条第4項第1号)や金属くず・ガラスくず・陶磁器くず(施行令第2条)は、もともと業種を問わず産業廃棄物です。内装工事から出る廃材は、こうした産業廃棄物に当たるものが多いと考えておくとよいでしょう。工事の廃材の処理は原則として元請業者が手配するものなので、工事を発注する段階で、廃材の処理費用が見積書にどう計上されているかを確認しておくと安心です。

工事業者に「ついでに」営業のごみを渡さない

気をつけたいのは、工事の現場にテナント側のごみが混ざるケースです。元請業者が処理を手配するのは、あくまで工事から出た廃棄物です。開業準備で出た段ボールや清掃ごみを「ついでに持っていって」と工事業者に渡しても、そのごみはテナントのごみのままです。

テナントの事業系一般廃棄物を業として運ぶには、原則として市町村長の許可が要ります(廃棄物処理法第7条第1項。同項のただし書きで、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみを扱う業者などは除かれています)。岡山市のQ&Aも「岡山市内で発生する一般廃棄物については、岡山市の許可を持った業者でなければ、取り扱いができませんので、ご注意ください。」としています。産業廃棄物の許可だけでは、事業系一般廃棄物は運べません。工事業者がこの許可を持っているとは限らないため、テナントのごみは、テナント自身が決めた委託先(許可業者、古紙なら古紙リサイクル業者など)に渡すのが確実です。

居抜き物件に残っていた設備・什器

居抜きで入居した場合、前のテナントが残した厨房機器・棚・テーブルなどを処分することがあります。ここは二つに分けて考えます。

▶ 造り付けのカウンターや棚を工事で撤去する場合
建物に固定された造作を内装解体工事で撤去すると、工作物の除去に伴って生じた廃棄物として工事の廃材になり、排出事業者は元請業者です(オフィス家具・什器の入れ替えで出る廃棄物|区分と搬出の段取りでも整理しています)。

▶ 置いてあるだけの什器・備品を処分する場合
工事の前から室内に置かれていた什器や備品は、工事から出た廃棄物ではありません。誰の持ち物かによって、処分を決めて委託する人が変わります。造作譲渡などで引き継いだ物なのか、オーナーの所有物なのか、前のテナントのリース品なのかを、契約書で先に確かめておくと、誰の名前で委託するかがはっきりします。リース品であれば、処分する前にリース会社へ連絡して扱いを決めます。業務用の冷蔵・冷凍機器や空調機が含まれる場合は、フロン類の回収が先になります(業務用エアコン・冷凍冷蔵機器の廃棄|フロン回収と産廃処分の順番)。家庭用として作られた冷蔵庫・ルームエアコンなど家電リサイクル法の対象4品目は、事業所で使っていたものでも同法の手順で出します(切り分けは同じ記事で解説しています)。

開業準備で出るごみはテナントの事業ごみ

工事が終わり、什器・備品や商品の納品が始まると、ごみの主役は梱包材になります。テナントが自分で購入して受け取った物の梱包材は、テナントの事業ごみです。区分は素材ごとに分かれます。

  • 段ボール・紙袋・緩衝用の紙:紙くずが産業廃棄物になるのは特定の業種に限られており、飲食店・小売店・事務所などから出るものは事業系一般廃棄物です(施行令第2条第1号に挙がる紙の製造・出版・製本・印刷物加工などの業種を除く)。リサイクルできる古紙について、岡山市は「古紙リサイクル業者か一般廃棄物の許可業者へ委託しリサイクルしてください。」と案内しており、リサイクルできる古紙は市の焼却工場へは搬入できません。
  • 発泡スチロール・PPバンド・ストレッチフィルム・エアキャップ:廃プラスチック類で、業種を問わず産業廃棄物です。
  • 木製パレット:施行令第2条第2号は「貨物の流通のために使用したパレット」を業種の限定なしに産業廃棄物としています。

開業前は、狭い区画に段ボールと発泡スチロールが一度に積み上がりがちです。はじめから「紙」と「プラスチック」で置き場所を分けておくと、そのまま一般廃棄物と産業廃棄物の出し分けになります。試作や研修で出る食べ残し・調理くず、準備中の清掃ごみも、テナントの事業ごみとして扱います。

開業前から回収できるように委託先を決めておく

岡山市のリーフレット「事業系ごみの分け方・出し方」(令和7年3月発行)は、「ごみステーションに、事業系ごみは出せません!」としたうえで、「事業系ごみは、排出事業者が処理施設へ自己搬入するか、収集運搬許可業者に収集を依頼して処理してください。」と案内しています。開業準備中のごみも同じです。家庭ごみのステーションに出すことはできません。

梱包材は開業の前から出始めるため、委託先は開業日ではなく納品が始まる時期から回収できるように決めておくと慌てずに済みます。産業廃棄物の処理を委託するときは、岡山市のQ&Aにあるとおり「あらかじめ、委託契約を書面で取り交わすことが法律で定められています」。マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付するのも排出事業者であるテナントです(マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?事業者が知るべき基礎知識)。事業系一般廃棄物の契約書で確認したい項目は事業ゴミの委託契約書で確認すべき項目、定期回収の始め方は岡山市で法人向けゴミ回収の定期契約を始める手順をご覧ください。

ビルのごみ置き場のルールも入居前に確認

テナントビルでは、共用のごみ置き場の場所や使える時間、搬出の動線などがビルごとに決まっていることがあります。置き場を共用していても、テナントのごみの処理責任はテナントにあります。役割の分け方はテナントビルの共用ごみ置き場|オーナーとテナントの責任の分かれ目で解説しています。

入居から開業までに確認したい5つのこと

  1. 内装工事の見積書で、工事の廃材の処理がどう扱われているか
  2. 居抜きで残っている設備・什器が、誰の持ち物か(処分する場合は誰の名前で委託するか)
  3. 納品で出る梱包材を「紙」と「プラスチック」に分けて置く場所
  4. 事業系一般廃棄物と産業廃棄物の委託先と、回収を始める日
  5. ビルのごみ置き場の使い方と搬出のルール

開業前後の事業ごみはコウノ産業にご相談ください

コウノ産業は、一般廃棄物収集運搬業(岡山市第4019号)と産業廃棄物収集運搬業の両方の許可を持っています。開業準備で出る段ボールと発泡スチロール、開業後の毎日のごみのように、事業系一般廃棄物と産業廃棄物が同時に出る場面でも、岡山市内であれば収集運搬の窓口を一つにまとめられます。取り扱う品目は、許可の範囲内で対応いたします(産業廃棄物の処分は当社の許可の範囲外で、処分業の許可業者とは排出事業者さまが直接ご契約いただき、マニフェストを交付していただきます)。

「納品が始まる前に回収の段取りを決めておきたい」「どこまでが工事の廃材で、どこからが自分のごみか分からない」といったご相談も承ります。入居の予定が決まった段階でお気軽にお問い合わせください。

出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律・同施行令(e-Gov法令検索)、岡山市ホームページ「事業系ごみの適正分別・適正処理について Q&A」、岡山市ホームページ「事業系ごみと資源の分け方」、岡山市リーフレット「事業系ごみの分け方・出し方」(令和7年3月発行)。本記事では、これらの内容をコウノ産業が要約・編集して紹介しています。内容は2026年9月時点のものです。制度や運用は変わることがありますので、最新の内容は各機関の案内をご確認ください。

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ACCEL JAPAN アンバサダー 藤森慎吾|有限会社コウノ産業